言葉に複数の意味がある場合、その解釈は中々に困難です。まして、その意味同士が近しい場合はなおのこと困難と言えるでしょう。今回はそんな言葉。

 【グランヴァン】 重要度 ★★★★

 綴りはgrand vinで、直訳すると「偉大なワイン」 大まかな意味としては、この「偉大なワイン」という意味で間違いではありません。しかし、ワイン用語としては少々違う意味を持つようになります。
 主な使われ方としては、「誰もが認める偉大な銘醸ワイン」 平たく言えば、名前の通った高級ワインはほぼ全てグランヴァンと呼んで差し支えありません。定義こそありませんが、「高価」で、「長期熟成」に耐え、「名前」が知れ渡っているという条件が満ちていればグランヴァン、と考えて良いでしょう。
 なお、市場に出回っているワイン(特にボルドー)のラベルには少なからず、このgrand vinという文字が刻まれておりますが、多くの消費者はこれを「偉大なワイン」とは思っていません。
 言葉こそ同じでも、売手側と買手側の意識の違い、と言う事でしょうか。