知っておきべきワイン用語・フィロキセラ

知っておくべきワイン用語・フィロキセラ


 世の中は弱肉強食と言いますが、生態系を見ていると世界の奥深さに触れる事が出来ます。そして弱肉強食とは言うものの、万物の長に立てる強者の存在は少なく、多くは相応の天敵が存在します。
 不思議に思うかも知れませんが、なんとワインにも、天敵は存在するのです。


 【フィロキセラ】 重要度 ★★★★


 フィロキセラとは葡萄の樹に宿る寄生虫寄生虫というと何だか恐ろしい気がしますが、ブドウネアブラムシ。すなわち、葡萄の根に着くアブラムシです。家庭菜園などをされている方には、厄介なアブラムシですが、厄介というだけで致命的ではありません。
 そもそも寄生生物には2種類あり、宿主と共生するタイプと宿主を食い殺すタイプ。なんと、フィロキセラは後者に当たり、葡萄の根を食い荒らし、枯死させてしまう厄介者。天敵という言葉に相応しく、これによってヨーロッパの葡萄が全滅した歴史さえあります。
 ワイン愛好者にとっては、人間より上にワインがある訳ですから、それを滅ぼすフィロキセラは、まさにワイン愛好者の天敵と呼べるかも知れませんね。




知っておくべきワイン用語・薔薇


 ワインを表現する言葉の中に、花の名前があります。スミレやバラなどがその代表でしょうか。
 無論、比喩表現ですから、火打石や腐葉土と言うよりは、理解されやすく、また聞こえも良いでしょう。また、品種が分化しやすい点でも、ブドウとバラには近しいものがあります。
 しかし、それ以外にもワインとバラには、知られざる深い関係があるのです。


 【薔薇】 重要度 ★★


 ワイナリーのブドウ畑を見ていると、うねのひとつひとつに必ずと言っていいほど、一緒に薔薇が植えられています。
 これは一体何なのか。見た目が綺麗だから? いいえ、違います。なんと、バラはセンサーなのです。
 バラは病気にかかりやすく繊細で、異常があると、見た目にわかりやすい点が特徴。
 つまり、ブドウ畑に病気が忍び込んでくると、いちはやくバラが反応し、畑の異常を知らせてくれるのです。まさにセンサーであり、ワインの守護者でもあります。
 なるほどしかし、それだけ繊細だと、薔薇園がもてはやされる理由も、薔薇園の管理者の苦労も見えてきそうな気がしますね。