2006-01-01から1年間の記事一覧

「ワイン」とは何か? ワインの生産地・生産年度の保証とは? このワインは安全なのか? それらの問いに一応ながら答えるのが、ワイン法。 ワインに限らず、法律は人間が作ったものなので抜け目は山ほどあり、守らない人も沢山いますが、各国・各地方に制定…

夏という季節、棚などに出しっぱなしのワインはありませんか? ワインは一般的に、乾燥や光、音や振動にも弱いとされています。 しかし、これらの全てよりも、もっと恐ろしいのが熱。 乾燥や光に一日晒したぐらいで、ワインの変質は著しい訳ではありません。…

それぞれのワインの銘柄には、やはり各々の歴史や逸話があり、ワインを飲む時、それを知っていると味わいが深くなったりする事も、ワインの楽しみ方のひとつだと言えます。 作り手の人生、そのラベルの由来、その名前をつけた理由。そんな小さな逸話のひとつ…

ワインと料理の相性の謎を解く鍵は、飲み物と食べ物の関係にあります。 普段から飲んでいるお茶やコーヒー、そして一緒に出てくるお茶請けの組み合わせを考えてみましょう。 あるいは、ビールや日本酒のおつまみ。晩酌の時にどの料理との相性が良いか。そし…

赤ワインに澱が発生したり、白ワインに酒石酸の結晶が発生したりする事は、以前にも述べました。 また、白ワインには一見すると水カビのような白いモヤが沈殿する事があり、見た目としては品質に問題があるように見えがち。 しかし、これは酒石酸とはまた別…

通常、農作物の値段は豊作の年ほど、美味しく安く、不作になれば、出来が悪くても高価となります。 しかし、同じ農作物であるブドウから作られるワインは、豊作になればなるほど値段は高騰し、不作であれば下落します。 近年はマスコミによる情報操作や宣伝…

飲んだワインが美味しかったり、高いワインだったり。珍しいワインだったりすると、ついついラベルを保存してしまいがち。 中には瓶ごと取っておく人もいますが、かなりの量になったりするので余りオススメ出来ません。ラベルだけでもあっという間に邪魔にな…

「ワインと料理の相性」を考える事というのは、難しくは無いけれど、何処まで行っても終わることのない探求の道です。 一般論から、自分の好みまで、その組み合わせは無限。では、どうやってその道を進めばよいのでしょうか? 答えは簡単です。考えてみるこ…

「ワインと料理の相性がピッタリ!」なんて誉められると、ちょっとした優越感です。しかし、普段から食中酒を飲む習慣のない日本人にとって、これはなかなかの曲者。一朝一夕で理解出来るものではありません。 それでもあえて、ワインと料理の相性という深い…

ワインはその出来と評価によって価格が大きく変動するため、投機の対象としても考えられています。 中には価格が10倍にもはね上がるケースもあるので、ある意味では一種のギャンブル。 ただ、これは投機家が何十、何百というケースの単位で行うものであり…

ワインの評価方法としては、100点制の他に、10段階制や5ツ星、3ツ星制などがあります。 個人的にお薦めなのは、飲んだワイン全ての記録が前提なら、5段階制。 細かい所まで記録しても、記憶と一致させる事は至難の技です。 難しく考えず、普通のワイ…

ワインを表現・記録する際、ワイン評論家を見習って100点制度を使用する人は少なくないと思います。 しかし、85点のワインと88点のワインにどれほどの差があるのでしょう? 次に飲んだ時、85点と88点を逆に付けないと言い切ることが出来るでしょ…

飲んだワインを評価を、全て記録していると言う人をよく見かけます。 ノートなどにラベルを剥ぎ取って貼り付け、味、香、バランスなどを書き留めておく人が多いのは、几帳面な日本人気質と言えるでしょう。 最初のうちはそれを評価する事が楽しくて続けるの…

高価なワインが美味しいとは限りません。しかし、高価な方が美味しいものに出会える確率は高くなります。 熟成がピークに近付けば近付くほど、美味しいワインに出会える確率は高くなるでしょう。しかし、その熟成過程でワインが傷んでしまう確率も高くなって…

レストランなどに足を運んだ際、うやうやしく出されるワイン・リスト。これが中々の厄介モノです。 日本語でどんなワインだか書いてある物ならまだしも、外国語で銘柄と値段しか書かれていない事もしばしば。 財布の中身を確認して、何とか判別できる銘柄を…

ワインと言うと、とにかく「難しいもの」と言うイメージが付きまとい、消費者からは敬遠されがち。 逆にビールは、深く考えずに飲める「楽なお酒」として親しまれています。 ワイン関係者としてはビールが羨ましい限りですが、ビール関係者にしてみれば、「…

その年の葡萄の出来や天候について色々と論議される新酒の時期がやってきました。 確かに、天候が良いに越した事はない、というのは事実ですが、例えば2003年のヨーロッパは異常気象と言われるほどに暑かったようです。これは葡萄にとって良かったとされ…

「外れないワイン」の選び方を尋ねられる事は少なくありません。「外れにくいワイン」の選び方なら、知識、経験、銘柄、金銭などで補う事も出来ますが、結論から言うと、「外れないワイン選び」なんてものはありません。 おいしいと思った銘柄を続けて買って…

今現在でこそ、格好の良い職業と思われがちなソムリエですが、その起源は、貴族がワインを飲む際に、「このワインには毒が入っていません」と証明する為の毒見役だったと言われています。 その証拠に、昔は「タスト・ヴァン」と呼ばれる銀製の皿を使用して味…

世界を代表するワイン評論家が、無名のワインをベタ褒めすると誕生する、爆発的な価格高騰ワインをシンデレラ・ワインと言います。 灰かぶり姫がシンデレラに変身する事に例えられている訳ですが、変身前は「価格<味」で、変身後は「価格>味」という、どう…

赤ワインに「澱」と呼ばれる沈殿物が発生する事は有名だったりしますが、白ワインにも同様のものが発生する事はあまり知られていません。 それは「ワインのダイヤモンド」とも呼ばれる酒石。正体はワインの成分であるカリウムと酒石酸が結びついて結晶化した…

よく、ワインの会話の中で、「シャトー物」という言葉を耳にします。 シャトーは、仏語で「城」の意味を持ちますが、「シャトー物」の宝庫であるボルドー地方では、主に「葡萄畑を持ったワイン醸造所」の事を指すので、「城」と呼べるほど大層な建物は少ない…

読んで字の如く、ワインから作られるお酢の事をワイン・ビネガーと言います。サラダ・ドレッシングから、バター・ソースまで使用用途の広いワイン酢。 よく、抜栓したまま放ってワインを置くと、「お酢になる」などと言われますが、味のバランスこそ壊れても…

葡萄畑は通常、風通しや日照量といった条件を踏まえ、丘状の斜面に作られます。フランス語では、「コート(cote)」と言い、良質のワインを生む場所とされています。 類義語に「コトー(coteau)」があり、これも丘をしめす言葉で、コートとの使い分け…

葡萄は世界中に、約10万品種あると言われ、種をまくと違う品種になったり、枝から別の品種が生えたりと、分化の激しい種です。 ワインになるのは、主にヨーロッパ系葡萄とされ、食用はアメリカ系葡萄。さらには、接木の台木用葡萄や、どれにも適さない山葡…

セカンド・ワイン。もしくは、セカンド・ラベルと呼ばれるワインがあります。 平たく言えば、格付けワインの型落ち品。 一級品は、品質を保つ為に、出来の良い葡萄だけを集めて作りますが、その際の二級以下の葡萄で醸造したものが、セカンド・ワイン。 本来…

「○○肉の赤ワイン煮込み」なんて書くと、おいそれと家庭では調理出来ないようなイメージが付きまといますが、案外そうでもありません。 どんなパターンにも応用出来るように、大雑把なレシピを紹介してみましょう。 まずはカレーを作る要領で、フライパンで…

ワインを評する時に、しばしば、ボディと言う言葉が用いられます。ワイン用語では、ワインの体付き、濃厚さ、コクの深みなどを意味し、主にライトボディ(軽い)・ミディアムボディ・フルボディ(重い)で表されます。 世間ではフルボディが絶対的に「良い」…

よく、コルクが傷んでいたからワインが傷んでいた、という話を耳にします。 果たしてそうでしょうか? コルク上部のカビは、直接、ワインにカビが移る原因とはなりません。コルク下部にワインが染みて黒くなった状態や、コルクが乾いてしまっている状態も、…

ワインが日本で普及しない原因は、大きく分けて、二つあります。 ひとつは、「ワインを知らない人間」がワインを怖がっていること。 もうひとつは、「ワインを知っている人間」が優位に立とうとすること。 とかく、ワイン通と言う存在は嫌われがち。言い方を…