ワインを鉛の器で飲むと、美味しくなる一方で有毒である。ローマ帝国はそれによって滅んだとする説もある事は前回お話しいたしました。
 以後、長い長い時間を経て、ワインはガラスという器におさまる事になります。
 ガラスの発明は、瓶としてワインを安全に保管してくれるだけでなく、ガラス工芸品として、我々の目を楽しませる事にも繋がりました。
 中でもワイン・グラスとして評価が高いのはクリスタル・ガラスと呼ばれる透明度の高いガラスです。
 ところで、このガラスに含まれるのは、なんと、あの「鉛」 鉛とワインは切っても切れない縁なのか、ガラスを美しくするためには鉛が必要だったのです。
 ワインに鉛というと、毒素を恐れる人もいますが、ガラスが鉛をコーティングしている状態なので、こちらは限りなく無害と言えますのでご安心を。