かつて栄えた、ローマ帝国が滅びたとされる原因の一つにワインがあります。
 当時のローマ人達はワインの保存技術がなく、時間とともに劣化していくワインに甘んじるしかありませんでした。
 これを解決してくれたのが、鉛の器です。
 鉛の鍋で熱したワインは酸が取れ、甘みが増すため、それこそ魔法の器として持てはやされ、大流行することとなった訳ですが、鉛は人体に有毒であるため、ローマ人は鉛中毒を引き起こして廃退するに至った、という説です。
 現在では鉛の器が使用される事はありませんが、たとえ有毒でも、飛躍的にワインが美味しくなると言うのなら、ちょっと試してみたいような、それこそ甘い誘惑ですよね。