ワインあれこれ

ワインに礼儀を求められる事は多々ありますが、今回は作法ではなく、ラベルのお話。ワインラベルはエチケットと呼ばれます。 ワインを飲み始めると、ついついラベルをコレクションしてしまいたくなる衝動に駆られます。 しかし、ラベルを剥がすと言う行為は…

ワインを飲んでいると、特に赤ワインに多いのですが、瓶の底に「澱」と呼ばれる不可思議なモノが溜まっていたりします。 これはワインが熟成する際に分離して出来る、いわゆる、美味しくなるために切り捨てられた成分です。 中には、コレを飲んでしまうと言…

なかなか、ボトルの外見から判断する事は難しいのですが、コルクの質は、概ねワインの質であると言っても過言ではありません。 コルクの質が上質であること。つまり、弾力性に富み、長さも充分にある。それこそがワインの長期熟成に必要であり、大器晩成たる…

前回は、グラス単位での純粋なアルコール摂取量を比べてみましたが、今回はボトル換算にしてみましょう。 ジョッキでは強かったビール(中瓶)の場合、500×5%で25ml。大瓶でも31.65mlにしかなりません。 一方、軽かったはずのワインが、75…

お酒は端的に言って、アルコールで、主に酔っぱらうためのものです。そんなお酒を語る上で、酔うか酔わないか、あるいはアルコール度数など、避けて通れない内容だと言えるでしょう。 世間ではよく、「○○は酔う」あるいは「酔わない」と言います。無論、好み…

デアルコール(dealcohol)と聞くと耳慣れないかも知れませんが、アルコール分を除去した、という意味なので、ノンアルコールワインという方がわかりやすいでしょう。 正確には0%ではなく、0.1%程度のアルコールを含みますが、限りなくジュースに近い…

ワインとは何か?という問題を単純化していくと、いずれ「果実の醸造酒である」という事に行き着きます。 このカテゴライズによると、アルコールを添加して醗酵を止めたものや、薬草などを漬け込んだ場合もワインという事になりますが、これらは一般的にはワ…

ワインは時間とともに熟成し、円熟したおいしさを楽しむ飲み物である・・・、というのが一般的な見解です。 しかし、近頃開発された技術によると、ワインに電極を通し、電気分解をすることで強制的に数十年の熟成を進めるという機械が完成しつつあるそうです…

ワインとは、どんなお酒なのでしょう? 分類上は、果実を醗酵させ、醸造したものを示します。 本当は「葡萄」でなければならない、という定義はありませんが、圧倒的に葡萄が多いため、他の果実を使用した場合は、一般的に「フルーツ・ワイン」と呼ばれます…

近頃、深刻なコルク不足などにより、ワインの栓はコルクから、スクリュー・キ ャップや合成樹脂に入れ替わりつつあります。 確かに、せっかくのワインがコルクでなかったりすると少し値打ちが下がる気も しますが、便利さ・手軽さではコルクよりも数段上。 …

ワインをのもうとすると、いざコルク抜きが見つからないなんて事が、時折ありますよね。 何か栓抜きの変わりになる物があればいいのですが、それさえ見つからない事もあります。 そんな時は、ちょっと特殊な方法でコルクを抜く事が可能です。 方法は、いたっ…

「充分に発達した科学技術は、魔法と区別が付かない」と、SF作家のアーサー・C・クラークが言っていましたが、似たようなことがワインにも言えます。 とりあえず現在の所、ワインの最高峰はフランスだと言われ、世界のワイン作りはそれを模倣する方向に動…

ワインを鉛の器で飲むと、美味しくなる一方で有毒である。ローマ帝国はそれによって滅んだとする説もある事は前回お話しいたしました。 以後、長い長い時間を経て、ワインはガラスという器におさまる事になります。 ガラスの発明は、瓶としてワインを安全に…

かつて栄えた、ローマ帝国が滅びたとされる原因の一つにワインがあります。 当時のローマ人達はワインの保存技術がなく、時間とともに劣化していくワインに甘んじるしかありませんでした。 これを解決してくれたのが、鉛の器です。 鉛の鍋で熱したワインは酸…

ワインは年代によって、同じ銘柄なのに、品質も値段も大きく変化します。 無論、果実から造られるお酒ですから、収穫年の天候に大きく左右される事が原因。しかし、そればかりではありません。 ワインに限った事ではありませんが、時代による流行り廃りでも…

コレクターという人種は、周囲からすれば理解しがたいほどの蒐集癖を持ち合わせています。ワイン愛好家も例外ではありません。 欲しいワイン、気になるワイン、話題のワインを買い漁り、気に入ったワインをケース(12本)買い。 部屋ひとつがワイン貯蔵庫…

ワインというと、基本的には瓶に入っているものを想像する事でしょう。 容器にガラス瓶が選ばれている理由は明確で、現在のところは、もっとも安全に品質を保つ事が出来るからとされています。 ガラスが作り出されるまでは、陶器のかめに入っていたり、樽の…

赤ワインのソース、白ワインのソース、などと言うと随分洒落た雰囲気で小難しく感じますが、特にハイレベルなものを目指さなければ、意外と簡単だったりします。 赤ワインのソースなら、少量の赤ワインをフライパンで少し煮詰め、砂糖、塩、スパイスで味を調…

ソムリエと言うと、世間では「ワインのプロフェッショナル」というイメージがあります。おそらく間違いではないでしょう。 しかし、筆者の考えは少し違います。何故なら、ワインのプロフェッショナルは、醸造家の方だと考えるからです。 では、ソムリエとは…

→ → 意外と簡単。 もし、ワインとボトルと中身が別物だとしたら? どんな世界でも、贋作商売はお金になり得るのでしょう。ワインにもフェイク・ボトルと呼ばれる偽物が存在します。 偽物でも本物でも、飲んでわからなければ問題ないし、証拠も残らないように…

日本では、何かがブームになった後、いったんそれが廃れてしまうと、廃れっぱなしになってしまう傾向があります。 娯楽で言えば、ビリヤード・ブーム、ボーリング・ブーム、お酒で言えば、日本酒ブーム、焼酎ブーム・・・。 95年頃から三年ほど続いたワイ…

95年頃から約3年ほど、健康ブームと併せて、未曾有の赤ワイン・ブームがありました。流動の早い近年においては、3年というブームはかなり長期だったと言えるでしょう。 これ以前のワイン・ブームはバブル期のボージョレー・ヌーヴォー、更に遡ると、ドイ…

近頃、オーストラリアやニュージーランドでは、コルク栓を使用しない、スクリューキャップのワインが数多く作られています。 コルク栓が万能である、という神話の真偽は未だに誰もわかっていません。しかし、オーストラリアやニュージーでは、その一歩先へ進…

バナナに食べ頃があるように、ワインには飲み頃があります。しかし、バナナと違って、外見からそのピークを判断する事はとても困難。 そこでついついガイドブックに頼ってしまったり、飲み時を誤ったりするものです。 実際、ワインの寿命が数十年ある中で、…

雑誌などで、高得点を獲得し持て囃されているワインを飲んでみたけれど、とても美味しいとは思えなかった。そんな経験はありませんか? これは決して珍しい事ではなく、また、味覚に自信をなくす必要もないのです。 評価されているワインを美味しく感じられ…

時折、ワインに興味を持った人から、ワインに携わる仕事に就きたい、という話を聴くことがあります。 しかし、ここで少し考えてみてほしいのです。 筆者はこの世界にいますので、業界の人間が増えること自体については嬉しい限り。ですが、同時に業界の裏側…

ミカンを一箱買ってくれば、中には特に酸っぱいものや、特に甘いものがあったりする事でしょう。 にわかに信じられないでしょうし、あまり信じたくない話なのですが、ワインにもミカンと同じような個体差が存在します。 勿論、ミカンほど大きな差はありませ…

大砲なんてワインには関係ないようにも思われますが、意外にも、かつては葡萄の栽培に関わっていたのです。 葡萄の新芽が出てくる季節、遅霜が降りると芽が駄目になってしまいます。 そこで、上の暖かい空気と下の冷たい空気をかきまぜるため、空に向かって…

赤ワインに澱が発生したり、白ワインに酒石酸の結晶が発生したりする事は、以前にも述べました。 また、白ワインには一見すると水カビのような白いモヤが沈殿する事があり、見た目としては品質に問題があるように見えがち。 しかし、これは酒石酸とはまた別…

毎年、ボージョレー・ヌーヴォーが解禁されますが、皆さんは飲まれましたでしょうか? 実は、この日本において、ボージョレー・ヌーヴォーほど偏見が強いワインはないかも知れません。 バブルの申し子、馬鹿騒ぎ、安ワイン、美味しくない、ジュースのよう、…