生食用の葡萄は食べると、甘くて美味しい。そして、生食用の葡萄で作ったワインの多くは、フルーティーで葡萄ジュースのようである。
 つまり、渋くて苦いワイン。そのワイン用に作られた葡萄を食べても、渋いし苦いし、美味しくない。・・・逆算すると、そうなりそうですが、これは間違いであり、一種の都市伝説です。
 まず、アルコール発酵させるためには確実に糖分を必要としますので、甘くなければなりませんから、甘くないというのは完全な嘘。出来上がったワインが甘くないのは、単純に、糖質がアルコールに変換されているだけです。
 食用と、ワイン用との大きな差は、一言で言うなら「食べやすさ」に他なりません。
 果皮が分厚く、実が小さい。種も多く、大きい。そして、食用果実に必要な水分が少ない。
 なかなか食べる機会も少ないかと思いますが、「ワイン用葡萄は美味しくない」というのは間違いで、ただ単に、食用に適さないだけである事を知っていて欲しいのです。