「恋に恋する」なんて言葉があるように、人間は事象そのものではなく、事象に焦がれている自分に陶酔する傾向があります。
 音楽が好き、と言うよりも、音楽好きを演出している自分が好き、なんて事は誰しも少なからずあるはず。
 中でもワインは「ワインが好き」「ワインに詳しい」という一種のステータスを感じさせるため、その傾向が強いと言えます。
 無論、恋に恋する事から始まる恋もある訳ですから、そこから始めるワインがあっても良いし、あるいは、そのまま終わってしまう「ワイン好き」もある事でしょう。
 ただ、恋に恋している状態は、傍から見ると浮き足立っている部分が目立ってしまいがち。
 周囲から見て痛々しくないぐらいの節度は必要かも知れませんね。