ワインと言うと、どうにも格式ばっているイメージが拭えず、歴史や伝統を重んじる、そんな印象を受けがちです。
 しかし、現実はどうかと言うと、意外な事にワインはその時その時の流行に踊らされやすいアルコール飲料だったりします。
 例えば、裕福な時代ほど辛口が好まれ、貧乏な時代ほど甘いワインが好まれる。かつては保存状態も良くないため、安全な長期熟成のワインが好まれましたが、現在は在庫を抱えていられないため、早飲み出来るワインが売れ筋。
 時代的には、ライトなアルコールが好まれる中、ワインだけ濃い味が好まれたり、地域性や多岐にわたる葡萄品種がありながらも、作り手はフランスワインを目指している傾向が強かったりします。
 伝統や格式のイメージが強く、保守的なお酒であるように思えますが、その製法や味は時代によって大きく変化している。
 それはやはり、「ワインは芸術品である」という以前に、どうしても「売れなければならない商品」という前提があるからなのでしょうね。