自分に支払うだけの甲斐性がなければ、「高いワインが美味いのか?」という疑問はなかなか解消されません。
 そして、この「高いワインは美味いのか」という難しい問題は、端的にYesともNoとも言えます。
 基本的には、車、時計、フルーツ、服。どれを取っても、高価なほど高品質になりますから、その点ではYesと言って間違いありません。
 しかし、同時にNoとも言えるのです。
 例えばあなたが、競馬と言うギャンブルに興じるとして、どんな馬に賭けるでしょうか?
 基本的には、「能力が高い馬」という答えが無難でしょう。能力が高いほど、勝つ確率が上がるのですから。
 ただ、能力が高いからと言って、必ず勝てる訳ではありません。出場するレース、競争相手にも拠るでしょうし、馬のコンディションもあります。
 ワインは、この馬と同じです。高いワインほど、高品質ですから、「美味いワイン」に出会える確率は上がるため、総じて「美味いワインは高い」と言えますが、必ず当たりだ!と言い切る事は出来ません。ワインのコンディションもあれば、熟成度合いもあります。
 注意して欲しいのは、「高いワインは美味い」≠「美味いワインは高い」という点。
 そして、馬にも万馬券があるように、安いワインにも、大当たりは存在すると言うことです。
 また、馬の人気が高ければ配当も低いように、ワインの値段が高ければ、期待値も上がってしまいます。
 あるいは、馬券の買い方で、ワインの選び方がわかるかも知れませんね。