知っておくべきワイン用語・フレッシュ&フルーティー

 一人の力では足りなくても、二人の力が揃えば・・・、なんて物語は、世に腐るほど溢れています。
 今回ご紹介させていただく言葉もその類でしょうか。ただし、悪い意味で。

 【フレッシュ&フルーティー】 重要度 ★★★★★

 ワインを表現する言葉として使われるこの言葉。フレッシュも、フルーティーも、それぞれ単発では悪い意味を含む事はありません。
 しかし、この二つが揃った時こそが問題です。
 言い方は悪いのですが、ワインのバックラベルを読んだ時、この単語があると要注意。
 かなりの確率で、無個性な、若々しさしか売りがないワインを引く事になるでしょう。
 言葉自体に罪はありませんが、売り言葉を書くのも人間。「売りたい! おいしい!」と思ったワイン以外には、特別な文章を考えないものです。
 そこでつい、便利で響きのよい魔法の言葉「フレッシュ&フルーティー」を使ってしまいがち。
 本当の意味で、フレッシュでフルーティーなおいしさが売りのワインを見過ごしてしまう事になるかも知れません。それでもこの言葉にはご用心ください。


 「人は見た目が9割」 なんて言いますが、ワインをボトルの見た目で判断する事は非常に困難です。
 しかし「見た目」でなく、「第一印象」が大事であると言い換えれば、当たらないまでも遠くない事でしょう。

 【アタック】 重要度 ★★★★

 ワインにおける第一印象を示す言葉で、多くは「強い・弱い」で表現されます。勿論、ラベルなどからの概観から知る印象ではなく、飲んだ瞬間の直感。
 これもまた人間に当て嵌めると難しくなりますが、第一印象は良いに越した事はありません。
 第一印象が良く、付き合ってみても良い人物。これが最高で、印象も悪く、知るほどに悪いのが最悪。
 印象だけは良く、付き合ってみると印象ほどではない。これと、印象は悪かったけれど、付き合ってみれば良い人物だった。このどちらが良いかは人によるかも知れませんが、ワインは人付き合いと違い、印象が悪いからと言って、簡単に捨てる物でもありません。
 アタックがないからと悲観せず、最後の一滴までお楽しみください。