ワインの原料となる葡萄。その種類は10万品種以上とも言われており、正確な数字を把握している人間はいません。
 分化と絶滅を繰り返しているため、調査が不可能に近いためです。
 また、土地によって、同じ品種でも呼び名が違うことがあり、余計に混乱を招きます。
 酷い例では、A種=B種、B種=C種というケースでも、A種≠C種という場合も少なくありません。
 A種とB種が同一であるか否かを判断するのは学者の仕事ですが、A種であれB種であれ、それを美味しいワインに変えるのは、生産者の仕事であり、それを美味しいと判断するのは、葡萄の名前ではなく、消費者であることを忘れないで欲しいのです。