ワイン考察

ワインの原料は葡萄であり、葡萄は土地により育まれます。 このため、ワインこそは天の恵み、といった言葉をそこかしこで耳にする事でしょう。 葡萄は、穀物よりも天候や土地の影響を受けやすい果実です。ですからこそ、こういった言葉が横行する訳で、それ…

よく、TVや活字などでは、ワインの香りや味を色々なものに例えています。 しかし、この行為は正しいのでしょうか。 無論、味を分析し、再現する料理人などの例外はありますが、普段の食生活の中で、口にするものをわざわざ「他の飲食物に例える」という面…

世間では「ワインは、飲めばなくなる」と言われており、そして、それ自体は事実です。 そんな、飲んでしまえばなくなるものに、数千円。ましてや数万円など支払う気は起きない。そういう意見を、少なからず耳にします。 もちろん、価値観なんて人それぞれで…

さて、本年度も新酒「ボージョレ・ヌーヴォー」の時期が近付いてまいりましたが、皆さんの反応はいかがなものでしょうか? とある業者さんとの会話で、ヌーヴォーの予約数が前年度の40%という不景気にも程がある数字を聞かされてしまいましたが、売り上げ…

ワインは本来飲むものですが、株のような投機価値があったり、コレクション的な扱いもされます。 投機価値としては、最終的に高く売れれば問題ないのでしょう。コレクションとして考えれば、揃え集める事こそが目的になります。 ただし、ワインの味には熟成…

世の中にワインの愛好者は数多くいますが、その愛好者を大分すると、「ワインを飲む人」と「ワインを集める人」の2種類になります。 ワイン本来の目的は、飲むこと。本分を果たすためには、是非とも飲んで頂きたい。それこそがワインの楽しみであると筆者は…

この日本で、幾度となくブームを呼び起こしたワイン。その浸透具合は、実際にどのような状況なのでしょうか。 はたして、ワインという飲み物は、ビールに成り代わる事が可能なほどの日常酒なのでしょうか。 ヨーロッパに於いて、ワインは間違いなく日常酒で…

アルコールの多くは、寝かせると美味しくなる、と言われます。 一般的に、寝かせるアルコールとして有名なのは、やはりワインとウィスキが代表格でしょう。 両者とも樽で作られ、瓶に詰められますが、この二つには大きな差があります。 ワインは、樽で幼年期…

このところの円高で、そろそろ新輸入商品が少しだけ安くなり始めたワインですが、長期的に見ると、ワインの価格はひたすら右上がりです。 無論、今まで扱われなかった低価格商品の導入などはあります。また、大量輸入による価格の引き下げ、為替の変化に経る…

ワインと言うと、天然のブドウから、特別な加工無しに造られる、非常にナチュラルなイメージがある事でしょう。 しかし、厳しい規制の下とは言え、酸化防止剤が使用されていますし、そのキャップシールには未だ、近年毒性が指摘される鉛が用いられています。…

ワインは不安定な飲み物であるため、どうしてもリスクが付きまといます。 そのリスクを回避する手立てをひとつ挙げると、容量が大きいものを買う事でしょう。 舌切り雀の逸話がある日本人には馴染めないかも知れませんが、ハーフボトル(半分)よりも、フル…

年代物のワイン、良いヴィンテージのワイン、長年寝かせたワイン・・・、色々な呼び方があり、「古いワイン」=「高価なワイン」=「良いワイン」=「美味しいワイン」というイメージが付きまといます。 しかし、これは明らかに別のものと考えてください。 …

某有名評論家が付けた90点のワインがふたつあるとしましょう。同じ90点のワインです。 果たしてこれは同等の価値でしょうか? おそらく答はNOです。 顕著な例だと、3000円で90点のワインと、30000円で90点のワイン。このふたつでは、あき…

高名な評論家が付けた、90点のワインがふたつあるとします。いわば同点の、90点ワインと90点ワイン。 それは果たして、同じ味なのでしょうか? 勿論、同じ訳はありません。 あなたのテスト成績が、クラスメイトと同じだったとしても、同じ箇所を間違え…

ワインを区別する際、どうしても混同しがちなふたつがあります。 それは、「好みのワイン」と「美味しいワイン」です。 安かろうと低品質であろうと傷んでいようと、とにかく好みに合う以上、それは事実上、あなたにとって美味しいワインなのです。 一方の美…

外見だけでも判断に迷うワイン。味ならば、美味しい・不味いで判断できそうなのに、なかなかどうして、一筋縄では行きません。 例えば、「美味しいワイン」と「ポテンシャルの高いワイン」のふたつ。 前者は、間違いなく、飲んで美味しいと感じたワインなの…

世間では、ワインの高い安い、おいしいまずい、好みかそうでないかについて色々と論議されています。しかし、ワインの性質そのものに誤解があるため、どうしても混同されがちな部分が残ります。 例えば、「まずいワイン」と「傷んだワイン」。前者は単純に味…

色んな評論家達がワインを飲み、その得点を雑誌などに掲載したりします。 高得点のワインを見れば気になるのは仕方のないところ。しかし、高得点のワインには幾つかの落とし穴があります。 一番の問題は価格でしょう。 例えば、1500円で高得点を取ったワ…

某有名評論家は、ワインを100点満点で評価しました。99点より100点が偉いという実にわかりやすい採点方式が多くの人に受け入れられた訳です。 しかし、採点ルールの蓋を開けてみると、味に1〜10点、香りに1〜10点、バランスに1〜10点、色、…

某有名評論家は、ワインを100点満点で評価します。99点より100点が偉いという実にわかりやすい採点方式が多くの人に受け入れられました。 しかし、採点ルールの蓋を開けてみると、味に1〜10点、香りに1〜10点、バランスに1〜10点、色、将来…

ワインの雑誌などを見ると、色々な著名人がワインに得点を付けています。星マークだったり、グラスマークだったり、ダイヤグラムだったり、百点方式だったりと色々。 そもそも味という不確定な要素を数値化しているものですから、それぞれの得点の付け方には…

ワインは、一瓶の容量が大きいほど、より美味しい。などと言われますが、それは本当でしょうか。 間違ってはいませんが、正しいとも言えません。 大量に作ったシチューを、大鍋と小鍋に分け、ラップでもして放置してみればわかります。 シチューが傷み始めた…

有名ワインを作り上げ、名をあげた醸造家は、時折ワイン・コンサルタントとしての仕事を開始したりもします。 確かに、「有名ワインの醸造家がコンサルタントしたワイン」と聞けば、ハズレは少なそうな気がします。 しかし、そのコンサルタントが請け負って…

ワインでとかく重要視されがちな葡萄品種。様々な葡萄をブレンドしたり、単一品種で醸造したり。 そのブレンド比率に黄金率は存在するのでしょうか? 消費者は多く、使用されている葡萄品種に目を向けますが、実際に葡萄農家の畑を見てみると、面白い答えが…

ワインを語る上で、葡萄品種はとても重要な要素です。 しかし、これは果たして本当でしょうか。例えば、ブルゴーニュのワインはピノ・ノワールと言う葡萄を、ボルドーではカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フランという品種をブレンドします。…

一般的に、ブドウが豊作の年ほど「ワインが美味しく、そして高価になる」とされています。 農作物は豊作の年ほど安くなるので、ちょっと奇妙な気がしなくもありませんが、ワインの世界ではこれが当たり前。 しかし、不作の年ほどワインの熟成が早い上に安価…

今回は、ワインとシチューの関係についてお話しします。 関係、とは言っても、ワインとシチューの相性の話ではありません。2・3日、ゆっくり煮ると、シチューが美味しくなるなんて言いますよね。 「弱火でコトコト」なんて、誰でも知っているフレーズです…

しばしば、古い年代の赤ワインなどの瓶の底に、「澱」と呼ばれる沈殿物が溜まる事があります。 ワインを飲む際に、一緒に口に含んでしまうと、苦い上に舌触りも悪く、あまり歓迎されるモノではありません。あまつさえ、澱が混じる部分を飲めなくしてしまうの…

地球の温暖化が叫ばれている昨今、このまま温暖化が進むと、50年後には日本の長野県が、最高のワイン産地の一つであるブルゴーニュの気候になる、という説が流布しています。 このため、長野県の地価が高騰したり買い付けが進んでいたりするとかしないとか…

この食材とこのワインを合わせる。そんなワインと料理の相性についての話は尽きる事がありません。 しかし、話題の中で忘れられがちなのは、調理方法です。 同じ鶏肉にしても、焼くのか、炒めるのか、揚げるのか、煮るのか、それによって合わせるべきワイン…