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この日本で、幾度となくブームを呼び起こしたワイン。その浸透具合は、実際にどのような状況なのでしょうか。
はたして、ワインという飲み物は、ビールに成り代わる事が可能なほどの日常酒なのでしょうか。
ヨーロッパに於いて、ワインは間違いなく日常酒です。
しかし、ここ日本に於けるワインが日常酒かというと、かなり難しいという答えが現実的です。
本来のワインは、食中酒としての役割が大きく、その点でヨーロッパと食文化の異なる日本では、食中酒として活躍する事は困難でしょう。
「価格が高い」というイメージもありますし、かと言って、低価格ワインが食卓に浸透しているとも言い難い状況です。
ワイン雑誌などを見てみると、「○○食にワインを合わせる」的な企画は後を絶ちません。シビアに言うならば、合わせるのが難しいからこその企画とも取れるでしょう。
また逆に、ヨーロッパでは若者のワイン離れが激しく、日常酒はビールに圧され、ワインの売り上げが低迷しています。
現状のイメージから考えても、ワインを日常酒化する事は難しいでしょう。
その一方で、レストランで「ちょっと気取りたい時にはワイン」という考え方は世界的にも根強いようです。
今現在、ワインという酒のジャンルが生き残っていくためには、高級酒という選択肢を取るしかないのでしょうか。
少し困難かも知れないけれど、日常酒としての地位。あるいはもっと別の生き残り方を探すことが必要かも知れません。