ワインと言うと、どうにも難しいイメージが付きまといます。
 しかし、はたしてそれは正しいのでしょうか。
 例えばスポーツ観戦を楽しむのに、最低限のルール・見所を知らないと見ている意味がありませんが、唐揚げを食べるのに、知識は要りません。無論、どんな唐揚げがより美味しいかを知っていたほうが良いケースもありますし、食べなれていないと美味しくないかも知れません。また、唐揚げを初めて食べる方が美味しく感じる場合もあるでしょう。
 そういった点では、ワインも飲食物です。知識は必要ありません。より深く楽しむための知識は、後から付けたって構わないはずです。
 また、ワインは同時にアルコールでもあり、ビールをはじめとするアルコール類は、少なくとも日本の法律上、成人になるまで飲むことが許されません。その部分では明らかに馴染みが浅く、飲み慣れないうちは口に合わない事もままあるでしょう。
 「ワインの事は知らないから、おいしくない」と言われる事もありますが、足りないのは知識などではなく、馴染みと経験なのです。
 ワインを楽しむための最大の知識は、それこそ「ワインに知識は必要ない」という事なのではないでしょうか。