さて、本年度も新酒「ボージョレ・ヌーヴォー」の時期が近付いてまいりましたが、皆さんの反応はいかがなものでしょうか?
 とある業者さんとの会話で、ヌーヴォーの予約数が前年度の40%という不景気にも程がある数字を聞かされてしまいましたが、売り上げが半分にも落ちた理由は、不景気の所為だけではないでしょう。
 毎年のように「10年に1度の豊作」「50年に1度の奇跡」「昨年を越える素晴らしい出来」などと飾り立て続けてきた報いも、少なからずあるはずです。
 実際に、天気もワインも良かったり悪かったりするものですから、良い年を楽しむためにも、悪い年は悪い年で楽しんでいただく方が、売り手としては正しい姿勢なのではないでしょうか。
 まあ、近年の売り文句の中に「ここ数年でトップ5に入る出来」というのがあって、「そりゃ当たり前だ」とツッコミを入れそうになってしまいましたが、悪い年を悪いと言えない悲しい性も、わかってあげて欲しいところです。