「一本のワインには、処女と熟女が詰まっている」と言う言葉があるように、ワインは時間とともに、味が変化していきます。
 瓶に詰まっている間には、緩やかに、グラスに注がれた瞬間、急激に。
 特にワインを抜栓し、グラスに注いでからの変化は驚くものがある。
 ・・・などと言われますが、ワインを扱う者として、これには一言物申す。
 実を言うと、グラスに注がれたワインは急激に「温度が室温に近づく」訳でして、味の変化を感じる、多くの場合は「空気に触れた変化」よりも、「温度の上昇」による味の変化だったりします。
 他の食べ物や飲み物でも言える事ですが、温度が高ければ、当然香り立ち、味も甘く感じますし、冷えていると香りが閉じ、酸を強く感じますから。
 どちらにせよ、グラスの中でワインの味が変化する事には違いありませんが。