「ワインはとてもナチュラルな飲み物である」と、よく言われます。
 確かにワインは、葡萄が醗酵さえすれば出来上がるアルコールであるため、ビールや日本酒ほどには製造工程が多くありません。
 故に、葡萄の個性が問われたり、ナチュラル思考が強い飲み物であると言えます。
 しかし、それは表向きであり、高級野菜などと同じく、成すがままに育った葡萄であるはずもなく、農家が懸命に育てています。製造過程も、潰して醗酵させたら出来上がりと言う訳ではありません。
 素晴らしい土地だけでも、素晴らしい天候だけでも、素晴らしいワインは生まれません。
 何をもってナチュラルである、と思うかは個人のとらえ方ですが、ワインは天からの恵みだけでなく、間違いなく人の努力の賜物でもある事を知っていて欲しいのです。