最高に美味しいワインは、誰が飲んでも美味しい、というのが筆者の持論です。
 しかし、冷静に判断して、これはなかなか難しいと言わざるを得ません。
 何しろ、ワインはアルコール。それも、酸、渋み、えぐみ、苦味という生物にとっては厄介な要素が多く含まれているからです。
 生物は、酸や苦味などを「毒」として判断する。子供が多く、とにかく甘いものを好むのは、耐性が出来ていないため、これらを避けて食べないようにしているため。
 しかし、成長するにつれ、耐性が育ち、必要な栄養分などが変わると、毒が毒ではなくなってくるのだ。
 コーヒーやビールを始めて飲んだ時に美味しいと思う人は少ないでしょう。これは単に「慣れの問題」というだけではなく、体が毒物を避けるように出来ているのです。