某有名評論家は、ワインを100点満点で評価しました。99点より100点が偉いという実にわかりやすい採点方式が多くの人に受け入れられた訳です。
 しかし、採点ルールの蓋を開けてみると、味に1〜10点、香りに1〜10点、バランスに1〜10点、色、将来性、その他に1〜20点。+評価に値するワインには基礎値50点というものです。
 さて。ここでちょっとした矛盾に気付いたでしょうか。100点満点のワインは「存在しない」のです。
 完璧な熟成、完璧な味、完璧な香りがもたらす完璧なバランス。そして芸術的な色。その他の機微も含めて満点だとすると、残る項目の「将来性」はどうなるでしょう。
 本来は「完璧な熟成」をもって「将来性」は失われるはず。だとすれば満点のワインは絶対に存在しないことになります。
 それとも、熟成と将来性は連動しているのでしょうか。ワインの売れ行きを左右しかねない某氏ですから、この辺りの採点方法を明示して欲しいと思うばかりです。