知っておくべきワイン用語・ミクロ・オキシジェナシオン

 ワイン用語は数多く存在しますが、その何分の一かは、ハッキリ言ってしまえば「醸造用語」だったりします。つまり醸造家たちの専門用語であり、ワインと密接な関係を持っていることには違いありません。ですが、「ワイン用語」かと言われると疑問符が残ります。
 今回紹介するのは、そんな「醸造用語」のひとつ。

 【ミクロ・オキシジェナシオン】 重要度 ★

 貯蔵中、あるいは醗酵中のワインに、酸素の泡を吹き込み、ワインの酸化を促し、熟成を促進させる技法の名称です。その酸素の泡が非常に微細なことから、ミクロ・オキシジェナシオンと呼ばれる。
 熟成に何十年も必要なワインを酸化させ、簡単に言えば短期間でまろやかに。つまりは擬似的に熟成を進めることが出来ます。
 ただ、前述のように「醸造用語」ですので、消費者である我々がこのややこしい言葉を使う機会は少ないでしょうし、よしんば使った所で煙たがられるケースは少なくないでしょう。


 知っておくべきワイン用語・バトナージュ

 ワインにまつわる人間を、飲み手・売り手・作り手と分けた場合、本当に「醸造用語」が必要なのは「作り手」と「売り手」までではないでしょうか。
 数多く存在するワイン用語ですが、個人的には「ワイン用語」と「醸造用語」は分けてしまうべきではないかと思う次第です。
 とは言いつつ、この連載も長くなり、紹介する用語が思い付かなくなったので「醸造用語」も交えて紹介してしまいましょう。

 【バトナージュ】 重要度 ★

 バトナージュとは、樽やタンク内のワインに蓄積された「澱」と「ワイン」を攪拌する作業のこと。これによってワインの熟成が進むとか進まないとか、なんとかかんとか。
 用語解説になっていない気もしますが「この作業を行わないと悪い影響がある」という説もあれば、意図的にこの作業を行わない作り手もいます。
 筆者は作り手ではないため、この作業の正否もわからなければ、結果としての違いもハッキリわかる訳ではありません。
 正直なところ、バトナージュを行っておいしいワインもあれば、行わずにおいしいワインもあります。だからこそ「飲み手」にとって「醸造用語」が本当に必要なのか、今一度考え直してほしいと思うのです。