知っておくべきワイン用語・DOP

 気がついた時、それまで当たり前のように使っていた言葉がいつの間にやら風化し、新しい言葉にすりかわっている。そんな事はありませんか? 筆者の場合は小型パソコンの名称がラップトップからノートに変わっていた、なんて事が記憶にあります。今回のワイン用語はそんな言葉。

 【DOP】 重要度 ★★★

 昨今の日本でも産地偽装などの問題が起きていますが、イタリアではそれを取り締まる法律として、DOC(Denominazione di Origine Controllata)が定められていました。
 要するにどの土地で作られ、法律の基準を守っているという保証です。まあ、ラテン気質で知られるイタリア人の事ですので、法律自体はフランスのAOCを模倣して作ったといっても過言ではありません。このため、後に生じた矛盾を解消すべく、DOCG、IGTと言った後付けの法律で問題を解決してきました。
 しかし、この後付けに問題があったのか、それとも他の法律との兼ね合いか、近年、DOCとDOCGは新たにDOP(Denominazione di Origine Controllata Protetta)に、IGTはIGPに改められました。
 実際のところ、統制法が保護法と名を改めたぐらいの事で、消費者にはあまり関係のない話なのですが、DOCという言葉が強く浸透しているので参考までに。
 なお、イタリア本国でも「既に印刷しちゃったラベルがあるから、なくなるまでDOCで通すよ」という具合に、DOCとDOPが混在しています。


 知っておくべきワイン用語・キャップシール

 あまりにも日常的に存在している割に、意外と名前が知られていない物ってありませんか? 例えば、パンやお菓子を入れたビニール袋を縛っている「針金」 実際に「ひも」とか「針金」とか「しばるやつ」で通じてしまうので名前が知られにくいのでしょう。ちなみに、その名称は「モール」です。似たところでは通称「ぷちぷち」などもありますね。今回のワイン用語はその類。

 【キャップシール】 重要度 ★★★★

 ワインを外界との接触から守るのは瓶とコルク栓ですが、そのコルクを守っているのが、このキャップシール。もともとは蝋などで封(シール)した事からそう呼ばれます。
 多くの消費者から何らかの尊敬を浴びるコルクに対し、何故かこのキャップシールは尊敬どころか注目も浴びません。名前も意外と知られていません。知らなくても「キャップシール」と言われれば何となく伝わるので問題も起きません。意外と重要な役割があるので、もう少し注目を浴びても罰は当たらないと思います。
 ちなみに、意外と重要な役割とは「コルクを守る役割」の他に「ソムリエがあざやかにキャップシールを切り取る」という技術を見せ付けられる演出に他ないでしょう。