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世の中には紛らわしい言葉があります。日本語で言うと、「なおざり」と「おざなり」がそんな感じでしょうか。言葉が似ている上に。意味までもが似ているので、ややこしい事この上ありません。本日のワイン用語はそんな類です。
【コート】 重要度 ★★★★
綴りは、coteでフランス語の意味は「丘」に当たります。ワインの原料となる葡萄は、日照量や水捌けの関係から、その多くが丘に作られます。
コート・デュ・ローヌ、コート・ドゥ・ニュイ、コート・ドゥ・ボーヌ、コート・ドールなど、ワインの名産地の多くに冠せられる言葉です。
さて。これの何がややこしいかと言いますと、似た言葉に「コトー」があるからに他なりません。意味も同じく丘。綴りはcoteauで、これまた類似しています。
日本語で例えるなら、「丘」と「岡」の違いという所でしょうか。
ただ、使用頻度としては、コートの方が圧倒的に多いので、無理にコトーまで覚える必要はないかも知れません。強いて言うならば、コトーの文字を見た時に、誤植だと思わないことぐらいでしょうか。
知っておくべきワイン用語・チリカベ
発音するには、少々長い言葉というのが、世には多く存在します。こういったケースは、縮めるか、頭文字を取るか、といった対処がなされますが、その略され方に少しばかり疑問を抱く略語も少なくありません。今回の言葉はそんな造語です。
【チリカベ】 重要度 ★★★
チリ産のカベルネ・ソーヴィニヨンを略して、チリカベ。何ともセンスのない略し方ですが、他に良い縮め方もないので、多くの人が使っていたりします。
そもそも、カベルネ・ソーヴィニヨンが長すぎるので、CSとか、カベソーと呼ばれること事態が問題ですね。チリ産のCS、チリのカベソー。やはり長すぎるので、チリカベ。いささかセンスのなさに頭を痛めますが、他に良い略し方がないので仕方ありません。
類似語に、カリフォルニア産ピノ・ノワールをカリピノと略すケースも。
かと言って、頭文字を取る手法だと、チリもカリフォルニアもCから始まるので、CCSやらCPNやら、どうにも混乱を招きます。
誰かワイン界の権威が、良い略語を普及させてくれるといいのですが・・・。